2012-08-10

犬も歩けば。



日本にて。

所要を自転車でたす。いつも思うが自転車の速度はいい。
存外機動力があるので広範囲を動ける。しかも速すぎないので色々なものと出会える。

中華街での中華厨房機器店にて。
頑固な職人風情の出で立ちをしていながら、実は顔が怖いだけで普通にいい人である店員が20代の女の子に中華鍋のよさを伝えている。セールスしているというよりも「中華鍋を使わない人の気持ちがわからない」というような迷いのないセールストーク。迷う女子。

「最初は戸惑うかも知れないけどすぐに馴れる」と店員。「ひとつあれば炒め物でも揚げ物でも煮物でもなんでもOK」と畳み掛ける。そのやりとりは私が入った時にはすでに長時間行われていたようで、連れの女の子は飽きて違うものを見るでもなく手にとっている。

どれだけ経ったか、「よし買う!」と女の子は決意。「これから毎日チャーハンつくるから食べに来てね」と「やっと決めたか」顔の連れに高らかに宣言。なんかいいな。

その日は高校野球神奈川県大会準決勝の日。横浜スタジアムの前を通りかかるとちょうど試合が終わって選手や関係者が出てくるところだった。同級生や学校関係者、父兄が大きな人だかりを作る中、キャプテン、副キャプテンなのだろうか。駆け出てきて帽子をとって皆に深く礼をするところだった。なんかいいな。

気分のいいことばかりでもない。
元町中華街の駅前を通りかかったとき、20代半ばくらいのカップルを見かける。女の子は低い塀に腰掛け、男はその前に立っている。

ただならぬ雰囲気。いってしまえば修羅場中。男が少し声を荒らげているが漏れ聞こえる言葉が「愛情表現」とか痴話喧嘩系。女の子は泣いている。

嫌な感じだな、と思いながらも一応スルー。15m程通りすぎてから気になって自転車を停めて股がったまま振り返って様子をうかがう。

するとしばらくすると男が女の子にのど輪をしながら凄む。はいアウト。
というわけで引き返す。

ちょっと荒っぽいことをしている割には男は別にやんちゃな感じでもなく、どこにでもいそうな会社員風。

一応人様の痴話喧嘩には口を出さないのが大人のタシナミだと心得ているつもりだったので、どうしようかなと思いながらも声を掛けると「警察を呼んでください」と女の子。

一応出て正解か。男は当然「何しゃしゃり出てきてんだよ」モード。めんどうくせぇなぁ。

20m先に交番があったので、そこに引き渡して終えるか、と思って女の子に「行こうか」と促しても腰を上げようとしない。好きなんだろうなぁ。でももっとうまくやらないと将来DVに合っちゃうって。

「ぼくら付き合ってんで!」
いやわかってるって。だったらもっとうまくやれよ。

男は相当ヒートアップしている。まあ女の子と話しているときから頭に血が昇っていたみたいだから当然か。こちらが入ったことで興をそがれた気分になればいいと思ったけど、ダメだったか。

こいつ手を上げてくるかなぁ。男はカラダはこちらより一回りは大きいけど、中学の部活以来運動はしていませんというタイプのぶよぶよ体型。まあ先に殴られても負けることはありえねえなと無意識に値踏み。でもこれが屈強なヤンキーだったら止めに入れたか。そのときは迷わず交番にGOか。

「もう大丈夫なんで!」と凄む男。
どうみても大丈夫じゃないでしょ。

見ないふりをして通り抜ける通行人。
イタリアとかの田舎町だったらあっという間に人垣ができていそうな展開なのに。

「はい、はい、大丈夫です。お兄さん、カッコイイですね。ヒーロー気取りですか」
とにじり寄ってくる男。

どうみたって喧嘩したらオレの方が強そうだよなぁ。こいつ根性があるのか。バカなのか。それともオレが仏オーラを出していたのか。

どうしようかなと悩みながらとりあえず20cmの距離で向きあう。

キスしてやろうか、この野郎。


そこから敵はひたすら「カッコイイですね!」攻撃。
やっぱりキスしてやるか。

結局、らちが明かないのでちょっと引いたところで交番へ向かって警察に事情を話した。警官は超及び腰。女の子が危険な目にあってるのに民事不介入かっつうの。

それにしても男が「カッコイイですね!」と言ってきた時に
「お前がカッコ悪いんだよ」と返せなかった自分が情けない。

うーん、まだまだ修行が足りませんな。

what's "my wife's camera"?

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