2011-01-26

一般教書演説



数日前からアメリカのニュースではオバマが行う「State of the Union address」が話題になっていました。

どんな演説なんだろうと思って調べたらこれが大統領の「一般教書演説」のことだったんですね。いやあ知りませんでした。

この演説、もちろんYoutubeで見られるのですが、一時間を超える長いものです。
まあリーダーが一時間も演説をすることの凄さは以前このブログでも書いたのでここでは書きませんし、一般教書の内容の解説はいくらでも専門家がしてくれるでしょうし、私の感想などを書いてもしょうがないでしょうからここでは一つこの演説を観てみようと人にマメ知識。

Wall Street Journal This MorningのPodcastで聞いたことですが、今回の一般議会演説は議員たちの席次が注目されているらしいです。

この演説での席次は基本的に自由なのですが伝統的に共和党は共和党、民主党は民主党で固まって座る慣わしがあります。しかし先日のTucsonの乱射事件を機に無意味な対立はやめようとい動きも強まってきており、民主党系の人の中で「分かれて座るのはやめよう」という運動がでてきたようです。

その運動に呼応する共和党系の議員も出てきたようですが、その結果は若干提唱者の想定外になったようです。各議員が相手の議員の中で政治的に差し障りのない相手を探してペアになって座るという現象が出てきたというのです。

このことをリポーターは「まるでプロムみたいにね」といっていたのは笑えました。プロムとはアメリカの高校生の卒業ダンスパーティーで一大イベント。男女ペアでの参加が前提なので、直前になると男子は誰を誘うか緊張し、女の子は誘ってもらえるかどうか気もそぞろになるというものです。

まあ、全員が全員マッチングするわけではないでしょうが、このことによって会場の席次が従来とは違うものになるのは間違いありません。そのことによって今まででしたら大統領の発言に民主党議員が全員スタンディングオベーションで拍手しているのに、会場の反対側に座っている共和党議員は苦虫を噛み潰したような顔をしてムスっと座っているという明白な対比は見られなくなるだろうということでした。

というわけで私はオバマの演説に耳を傾けながらも、スタンディングオベーションの分布にも注目しながらYoutube映像を見ました。

するとなかなか味わい深い。

科学技術やイノベーションの大切さを述べた後、そのための家庭の果たす役割の大きさについて「スーパーボウルの勝者になることだけが賞賛に値するのではなく、科学コンテストの勝者も賞賛に値すると私たちは子供たちにしっかりと教えていくべきだ」という内容を話したときは満場で総立ち。

「クリーンエネルギー」の重要性を述べ多くの議員が立ち上がった中、しかめっ面で座っていたのは共和党の石油まみれの人なのかなと思ったりします。

慎重な議会運営が要求される中、Tucsonのスピーチ同様全体的に共和党に気を使った発言も多い中、健康保険制度改革のことになると「健康保険産業が患者を食い物にしないように」という強い表現を使い、それに対して民主党系思しき議員が割れんばかりの拍手でスタンディングオベーションをし、共和党系議員は我知らぬという顔をしています。

そういう観点からこの演説を見てみるのも面白いかも知れません。

というか日本の政治家には是非みてもらいたいものです。もちろんスピーチの技術だけを競うのはポピュリズムだという意見もあるでしょうが、政局にがんじがらめで国民さえ説得できないような政治にはもううんざりです。

対立政党を責め立てるだけの政治家の言葉なんてもう聞きたくありません。国民は対立政党に対して厳しい言葉を吐くだけではなく、この国をどうよくするかという建設的な言葉を聞きたいのです。

先に挙げた国民皆保険問題の下りでもオバマは共和党に一撃を与えながらもユーモアを交えながらフォローすることを忘れません。

「この中にも若干新しい保険制度の法案に不安を持っている人がいるという噂が流れてるみたいだね(場内から笑い)。ならばこそ言いたいんだけれども、私は法案がよくなるんだったらどんなことでもするから。ケアがより手厚くなって、負担が少なくなるようなアイディアを持っている人がいるなら、(党を超えてでも)是非一緒に取り組んでいきましょう」

うーん、言語の差に加え、私の訳の至らなさもあってなかなか彼のユーモアも含みながらも毅然としたスピーチのニュアンスは伝えにくいのですけれども(原文はこちらから)、とにかく見事なんです。もちろん実際の議会運営は相当厳しいでしょうけれども、少なくともあの場で野次を飛ばしたら飛ばした方が男を(女も)下げるというような雰囲気なんですよね。

せっかくNHKが高い日本の電波使って国会を中継しているんだから、大臣の答弁も官僚のペーパーを読むものだけじゃなくて、せめてこれくらいのものになったら国民ももっと政治に関心を持つのに。


what's "my wife's camera"?

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