2010-12-14

スタア誕生。



Inetnon Gef Pa’goというグアムの文化プログラムがあります。これはパフォーミングアートを通じて原住民のチャモロ文化と言語の保全を目的としたプログラムなので、今年10周年を迎えました。

パフォーミングアートといってもほとんどが昔ながら伝わる舞踏のようなものです。グアムのホテルでもポリネシアンショーのようなものを見ることはあると思いますが、それらのほとんどは文字通りポリネシアのものを取り入れたものでグアムの伝統的チャモロ舞踊ではありません。チャモロダンスはポリネシアのものと似ている部分もあるのですが、櫂をよく使いより海洋文化の影響を強く感じます。

彼らのパフォーマンスは色々なお祭りやイベント、ワークショップなどで見ることができるので私もこれまでも何度かみていました。パフォーマンスをするのは中学生くらいの子が中心ですが、皆かなりトレーニングを積んでおりそれなりに見ごたえがあります。

今日はあるカジュアルなクリスマスパーティーがあり、そこで彼らがパフォーマンスをしてくれました。さほど広くない会場で我々のグループのためにやってくれたということもあり、また十周年を意識してか新しい演目もあったのでいつも以上に迫力があり楽しむことができました。

しかし私が今回のパフォーマンスに興奮をした理由はそれだけではありません。私の目は終始一人の青年に奪われていたのです。

彼のことはこれまで見たことがなかったのですが、全体的にあどけなさが残り背も高くないパフォーマーの中ではひときわ長身が目立ち少しワイルドな感じのする青年でした。

新しく入ったのか踊り自体の完成度は低いのですが、とにかく存在感がある。もちろん背が高いことも関係しているのでしょうが、技術的に拙いのに萎縮することもなく誰よりも必死に櫂を振り回す様子には何とも惹かれてしまうのです。

人一倍汗を掻きながらちょっとイッちゃった真剣な表情で舞う姿はどこか危うげでもあるのですが、十分に訓練を積んだ切れ味の鋭い他のパフォーマーよりもなぜかその青年に目を奪われたのでした。

「新しいスタアの誕生だ」私はひとりごちました。

Inetnon Gef Pa'goはあくまでも集団パフォーマンスであるのですが、当然中には人より上手かったり、切れ味がよかったり、手足の動きがキレイだったり、つまりは秀でたパフォーマーがいるわけです。彼らは自然中心的な役割を担わされるようになりスター的存在になります。

これまでも男女で一人ずつ技術が際立ったパフォーマーがいました。特に男の子の中心人物は顔立ちも端正でかわいらしく、動きのキレ味も存在感も一人抜きん出ていました。

しかし今日は彼よりも俄然新人くん(たぶん)に目が向いてしまいました。新人くんがスタアくんと勝負できるのは目下存在感しかありません。事実経験が浅くてまだ色々なダンスを覚え切れていないのか、いくつかの演目は彼は袖でみていました。

それでもその存在感だけでスタアくんに対抗できるのです。スター性というのは後から努力してどうこうなるものではないとよくいいますが、きっと彼がまとっているあの存在感のことをスター性というのだろうなあと一人納得してしまいました。

太平洋の小さな南の島の小さな文化保全プログラムの中での話しですし、そもそも私の見立てが正しいのかさえわかったものでもないのですが、新しいスタアの誕生の予感に一人興奮した師走の夜でした。


what's "my wife's camera"?

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