2010-12-08

ウィキリークス創設者を殺してはいけない。




ウィキリークスの創設者、ジュリアン・アサンジが性的暴行の容疑でロンドンで逮捕されました。

嘘か本当かは知れませんが、合意上のセックスをしたときにコンドームを使わなかったということが容疑の理由らしいのですが、まあ世界中の誰もがそんなことを真に受けておらず「当局は引っ張れればなんでもよかったんだろ」と思っているでしょう。

そういう意味では今回の逮捕を不当に感じ憤っている人も多いことかと思います。しかし私はまずはひとまずよかったと思っています。それはアサンジが生きて見つかったからです。

アサンジ自身もスペイン紙に彼らのグループが生命の危機を感じることがあると語っていますが、それも誇張ではないでしょう。

記事では彼はアメリカ軍の軍人から彼や家族そして弁護士の命にまで関わる脅しを何百も受けているということでしたが、軍関係者はもとより彼ほど世界中の全政府を敵に回した人はかつていないでしょう。とりあえず彼を暗殺してしまおうという勢力があってもおかしくありません。というかどこかには必ずいると考える方が自然でしょう。

Wikileaksのようなものが一度世の中に出てしまった限り、もうこうした流れをとめることは政府といえでもできません。そういう意味でアサンジを殺しても意味がないと思うかも知れません。

しかしこの流れを止めることができなくとも、アサンジや家族や関係者を数人殺すことによってこの流れをかなりゆるやかなものにすることはできます。

アサンジが逮捕された現在、世界各地でアサンジ支援の運動が広がっているようですが、もし彼が狂信的な極右軍関係者に殺され、彼の息子が交通事故で死に、弁護士が自殺し、他の幹部3人が変死体でみつかったとしましょう。

そうしたら声を大にしてWikileaksを支援し続ける人はどれだけいるでしょうか。同じような内部告発サイトを大々的に運営して政府を敵に回そうとする人がどれだけいるでしょうか。間違いなく変化のスピードはかなり鈍化するでしょう。

だからアサンジの身が物理的に無事であるということはとても大事なのです。

勘違いしないで欲しいのは、私はなにもWikileaks的情報公開が善で情報を隠し操作しようとする政府が悪だというのではありません。Wikileaks的情報公開にも人命の保護や安全保障政策上の問題など改善しなければいけないところはあります。また政府が機密を持つというのは国民を守るという観点からもときには必要です。

ただポイントはWikileaks的情報公開の流れができてしまった以上それはもう不可逆だということです。為政者が強権を発動すれば流れは遅くなるかも知れません。それでも流れ自体をとめることはできません。

一度こうなってしまった以上は新しいアーキテクチャを築き上げるしかないのです。外交も内政も今までとは違った形になってしまうかも知れません。機密文書はすべて暗号化してアクセスした人が必ず同定できる特殊アプリが開発されるかも知れませんし、本当の機密はハードコピーだけで管理するという先祖返りさえおこるかも知れません。極端な場合は外交上の一番肝心なところが口約束だけで交わされ一生外交文書として表にでることがないというケースさえありうるかも知れません。

どのように変わるかはわかりません。しかしとにかくアサンジを殺めることによって時間稼ぎをするという不毛なことだけは絶対に避けて欲しいのです。

ジョン・レノンの命日だからといって陰謀史観に立つわけではありませんが、我々市民が民主主義の主人としてきちんと権力を監視しつづけないと権力が恐ろしい暴走をしかねないということは残念ながら歴史が私たちに指し示しているのです。


追伸:こちらのリンクで英ガーディアン紙のネ申企画、アサンジと読者の生Q&Aが読めます。彼の考えを伺いしることができて面白いです。

what's "my wife's camera"?

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