2010-12-04

ソニーは倒れたままなのか。




今の若い人には今ひとつピンと来ないかも知れませんが、一昔前ソニーというのは憧れのブランドでした。簡単にいうと今のAppleみたいに他社を寄せ付けないカッコよさがありました。信じられない人もいるかも知れませんが本当なんです。

もちろん当時から壊れやすいとか批判はありましたが、町場のトランジスタ工場から世界のソニーに登りつめたサクセスストーリー込みでソニーは他のブランドとは違うというイメージがありました。

アメリカ人が「ソニーってアメリカの会社じゃなかったの?」などとトンチンカンなことをいうと誇らしげな気持ちになったものでした。

その"憧れのソニー"に対して「大丈夫か」、とおもわず心配してしまったことが最近ありました。

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私の店の一つではソニーのネットワークWalkmanを使って音楽を流しています。
そのWalkmanは日本で買ったもので、店の雰囲気にあうかなと思う音楽を数多く入れてシャッフルさせていつもは流していました。

しかし12月に入ってThanksgivingムードも落ち着いてきたので音楽をクリスマスミュージックに変えようとし思ったのです。
Walkmanの音楽を管理するには管理アプリ、Sonicstageが必要です。AppleでいうところのiTunesといえばよりわかる人もいるかも知れません。

前回Walkmanに音楽を入れてからPCを買い換えていたので、現在使っているものにSonicstageをインストールしようとしました。しかし、作業をすすめていくと「このWindowsの言語設定ではインストールできません」というようなメッセージがでてきます。

何度やっても同じメッセージがでるので違うPCでやっても結果は同じでした。私のPCはアメリカのネット通販で買ったのでWindowsは英語です。

色々と試行錯誤をしたのですが、インストールが適わなかったのでネットで調べたところやはりSonicstageは日本語Windows以外ではインストールができないということでした。

そこでUS版Sonicstageはインストールできないかと思い、ソニーのUSのサイトへ行くと果たしてダウンロードのページがありあました。しかしそこではまず製品の型番から選ばなければいけません。本体の裏側の小さな文字の型番をみたのですが、日本仕様のためかそこには同じ型番がありませんでした。そこで似たようなものを入れて先に進みました。

すると「この製品は中米でしか使えないものですけれどもいいですか」というようなメッセージがでてきました。なんだか面倒くさかったので適当に別の型番を選んでみると今度はすんなりダウンロードできました。

しかし時間をかけてダウンロードをしたはいいものの、今度はSonicstageがミュージックプレーヤーとしてWalkmanを認識しません。ストレージとしては認識しているのですが、どうがんばってもWalkmanに音楽を転送できません。

というわけで私はSonicstageを使ってWalkmanの音楽を変更することができませんでした。

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ソニーが上記のような地域ごとの設定をしているのにはそれなりのわけがあるでしょう。
本体も含めてすべて規格を統一することによるコストカットとデメリットなどを天秤にかけた結果のことでしょう。

ひょっとしたらMoraとの兼ね合いもあるのかもしれませんし、簡単に想像のつくところでは各国の著作権法や流通との問題もあるでしょう。様々な規格を統一するのは難しいことなのかも知れないのかなと忖度してあげることはできます。

しかし、ソニーがライバルと目しているであろうAppleはそれをやりとげています。世界中のiPodの規格は同じはずです。iTunesもすべて同じソフトウェアです。ストアで買い物をしようと思うとやはり先ほど上記であげたような難しい理由があるでしょうから各国ごとに品揃えは違いますし国別のクレジットカードが要求されますが、それはあくまでWeb上での話でアプリケーション自体には差はありません。

消費者にとってどちらが利便性が高いかは明白です。ひょっとしたら規格を統一することによって却って高くついてそれが価格に跳ね返ってしまうという事情があるのかも知れません。だから「値段を抑えることを優先させよう。どうせマルチ言語環境で使うひとの割合なんてそんなに多くないのだから」というマーケティング的プラグマティックな判断をくだしたのかもしれません。

しかしそれは確実にソニーのブランドを損なってしまうと私は断言します。
そもそもインターネット社会というのは国境を弱体化させる社会でもあります。つまり少なくとも商業的には人々にできるだけ国境を感じさせてはいけません。どこにいてもシームレスにストレスなく同じサービスを提供することはとても大切です。

そして実際に国境を越えて飛び回る人にはオピニオンリーダーの比率が少なくありません。彼らに対してアピールできなくてはマスのフォロワーを得るのも難しいでしょう。

でもそれ以上に大きいのは理念的な問題です。かつてソニーは国境をも超えた日本の枠を超えた未来企業なのではないかと思って熱狂したわけです。そのソニーが自ら国境を強化するようなことを平気でやっていることに私たちは絶望するのです。

ある世代の日本人にとってソニーは新しい日本の象徴でした。しかしこのままではAppleに対抗するどころか、会社の存続さえ危ぶまれることになりかねません。

ヒーローでもヒールでもいい。私たちはとにかくソニーが力強く立ち上がる姿がみたいのです。



※追記: 音楽はBeat Jamというサードパーティーのアプリケーションを使い無事転送することができ、うちの店にもクリスマスは訪れました。


what's "my wife's camera"?

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