2010-10-09

海外在住者、英語上達の罠。



私がグアムに来てから5年になります。妻も日本人なので家ではもちろん日本語でしゃべっていますが、外に出たらほとんど英語です。

当然、面倒くさいですよね。でも最近あまり面倒くさいと考えることなくしゃべるようになってきたんです。そしてこれは私が特別だということじゃなくて、外国語圏に住んでいる人の多くに見られる現象だという気がします。

といっても、それは「英語でものを考えるようになったんだ」というような英語を真面目に勉強している人が抱く幻想とは少し違う感覚です。本当に面倒なことは放棄してしまえという感覚なんですね。

私はグアムに来る前英語はそこそこできる方かなと自惚れていました。でも日常的に英語を使うようになると存外だめなとこも多いんです。私がこちらで初めてわからなかくて困った単語が"ashtray"でした。灰皿のことです。これって「でる単」とかに載っていないんですよ。仕事でプレゼンするときにも使わないですし。

その他にも電話口でいきなり"can you hold(電話口の常套句『少々お待ちください』)"って独特の節をつけていわれると何をいわれたのかわからなくて、何度も聞き返しちゃったり。

そうなると「この単語の使い方正しいかな」とか考え出しちゃって、英語を使うのが怖くなってくるんです。「この場合の『クルマ』は"car"と"vehicle"のどちらが正しいんだろう」なんて具合に。
それでも英語を使い続けなければいけないですよね、生きていくには。その結果どうなるかというと、段々「どうでもいいや」という気持ちになって何も考えずに英語をしゃべるようになってくるんです。

「それはお前が英語が得意だからだろ」と思う方もいるかも知れませんが、この現象は英語の得手不得手関係なくみんなにおきている気がします。片言に毛が生えたくらいの英語しかしゃべれない人も何も考えずに英語をしゃべるようになってくるんです。あまりにも何も考えないため、無意識に日本語が会話に混じってくることがある人もいるほどです。

これって英語をぺらぺら話せるようになる第一歩だと思います。何も考えない。だからつっかえない。
そもそも単語ひとつとったって英語と日本語で完全に意味が一致する単語なんてあまりありません。いちいち頭の中で「この単語であってるっけ」って考えていたら、まごまごしてしまいます。そんなことより間違えてもいいから好きに話して、向こうに意味が通じていなかったり、怪訝な顔をされたらいい直せばいいわけです。こちらは外国人なのですから、先方がこちらの話を聞きたいと思っている限りは彼らはかなり寛容に理解してくれようとします。

というわけでまずなんとか何も考えずにしゃべる、という域に達したいところです。じゃあどうやったらそうなるんだ、と問われれば残念ながら「とにかくしゃべらなければいけない状況に身をおく」しかないという気がします。外国人に対して「うるせえ、お前だって日本語しゃべれないくせにエラそうな顔すんな」という太々しいメンタリティーがあってもいいかも知れません。

さてここからが問題です。
何も考えずにしゃべれるようになったからといって英語が上達したというわけでもないんです。
すでに書きましたが、何も考えずにしゃべるというのは英語力の有無に関わらず長年海外に住んでいればわりとおこる現象なんですね。

何も考えないでしゃべる→不便はあってもさほど生きていくことに苦痛を感じない、これが英語圏に何十年も住んでいながら大して英語がしゃべれるようになっていない人のお決まりのパターンだという気がします。

せっかく「何も考えずにしゃべる」という最大級の壁を突破しても、そこから一ミクロンも英語が進歩しない人がいるんです。これはもったいない。特にだまっていても英語に接する機会が多い海外組にとっては英語上達の絶好の機会を逸することになりますよね。

じゃあどうすればいいか。
この答えはわりとはっきりしてるんじゃないかという気がします。
それは地道な努力をするしかないということです。残念ながら。

できるだけ多くの英語を読む。できるだけ多くの英語を聞く。わからない単語は辞書で引く。意味はわかるけど、自分が使ったことのない表現を誰かがしたら頭の中でそれを暗誦する。DVDは日本語字幕じゃなく英語字幕で見る。そして「簡単に驚くほど英語が上達!!」という安易な勉強法の広告に食いつかない、などなど。

こうしてれば確実に英語力はついていきます。

日本人なのだから、まず一番大事にすべきは日本語だと思います。
でもやっぱり実際問題英語ができるとかなり便利です。私の英語もまだまだですが、皆さん一緒にがんばっていきましょう。


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