2010-09-14

科学的態度。



少し前にホメオパシーが問題になったという話しを聞いた。
助産婦が乳児に施すべき投薬をせずにホメオパシーのレメディーを与えたことによって死に至らしめてしまったといものだ。その助産婦は母親の了承をとることなく、独自の判断で行ったという。とんでもない事件だ。

私個人としてホメオパシーについてはよくわからない。理屈を聞いてもいま一つ入ってこない。ただイギリス、ヨーロッパでも医療の最前線で長年使われているというのだからそれなりの効果はあるのかも知れないという程度の認識だ。

先日あるラジオ番組でホメオパシー反対の立場の医者が話をしていた。彼は「ホメオパシーはプラシボ効果以上の何ものでもない。検証に値せず、門前払いして当然」という立場をとっていた。

おいおいちょっと待ってくれ。前述のとおり私はむしろホメオパシーはわからん、という立場でホメオパシーを擁護する立場にはまったくないけれども、この医者のものいいには引っかかる。

一昔前、UFOやネッシーなどの超常現象が流行った(?)頃、UFOなどを否定することをインテリのとるべき科学的な態度だと勘違いしていた人たちがいた。しかしもちろんこれは違う。

本当に科学的な態度というのは「確固たる反証ができなければ判断を留保する」というものだ。

つまり「UFOは実在しない」ということを証明できない限りはどんなにUFOなんているわけない、と思っても「UFOなんているわけない」などと気安く口にせず「UFOが存在する可能性は極めて低い」程度にとどめ、必要あらば宇宙人方程式などを持ち出すくらいのことはする、それが科学的な態度ではないかと思う。

先日妻と私、二日連続で皮膚科にかかる機会があった。妻は巻き爪を部分的に切り取る施術、私はひどくなりすぎたアトピー皮膚炎のケアだった。

妻の担当医もたまたま私の担当医と同じDr. Kimだった。彼女は半年前にNYからグアムに来たばかりで、それなりに医療の前線にもいた人だ。

妻の巻き爪がひどくなった原因の一つがファンガスと呼ばれる胞子で、その除菌のために毎日お酢で足の指を洗浄するように指示された。

私はアトピーが悪化し、皮膚の少なからぬ部分が悪くなった。それも胞子の影響の可能性もあるし、その他の可能性もあるといわれた。いずれにせよ古い悪い皮膚は洗い流した方がいいと言われ、日本で言う重曹にほぼ相当するベーキングパウダーで皮膚を洗浄することを勧められた。

私は彼女の態度にとても好感をもった。もちろんほとんどのお酢だって重曹だって化学化合物だ。しかし自然由来のものあるし薬物でない分効果は劇的でなくとも負担も少ないのではないかと思う。

医者が医者という立場、資格のもとで診療をするときは、いわゆる代替医療に対してある程度慎重な立場をとらなければいけないと思う。でもだからといって何でもかんでも医薬品に頼ってばかりの医療に対してはどうしても抵抗を感じてしまうのだ。

別に医者が保険の点数稼ぎにばかり精を出しているとかいうつもりはない。臨床でも基礎でも医学の発展のために必死になっている医者を知っているし、彼らの努力には頭が下がるばかりだ。

でも中には医療の高度さに謙虚さを失ってしまっている人もいるのではないか。太古から人は生きてきたわけで、それに比べれば西洋医学の歴史などははるかに短い。もちろんその過程で数々の病気を克服してきたのは素晴らしい。ただそれでも西洋医学的アプローチでは解決しえない問題もあるという可能性は忘れてほしくはない。

人間も化合物だ。そう考えるとすべては化学式で解決するとい考え方もできるのかも知れない。
でも私は人間は化学式では解決し得ない存在かも知れないというロマンチックな幻想を抱きつづけたいのだ。

No comments:

Post a Comment